今回の豆知識は、遮音材のメーカー申告性能と現場での効果と乖離です。
※大型連休と防音工事の現場のチェックの関係で、少し早めに投稿します。

防音相談で最も多いのが、遮音シートと遮音パネルの効果に関する疑問、その理由です。木造住宅でもマンションでも、既存ボードに重ねて、これらの遮音材を施工すると音漏れが酷い、効果をあまり体感できないのはなぜでしょうか、という質問です。

これは、遮音材の透過損失(音の遮断性能)を測定する際に、比較的小さな試験体を枠材に単独で固定して周波数ごとに測定するため、建築現場などで測定するデータと乖離するのです。
現場は、通常、天井や壁など比較的大きな面・区画で音を測定したり、居住者(使用者)が室内外で体感します。試験所の実験室で測定する遮音材の拘束方法と面積が異なるため、遮音効果が乖離します。

例えば、薄い遮音シートは制振性能が低いため、軸組に拘束した場合とボードなど面的に貼り付けて拘束した場合では、大きな差が出ます。また、面密度や制振性能が小さいため、振動を伴う比較的大きな音に対しては、拘束方法(工法)を工夫しても実験室での透過損失データよりも効果が低くなります。(遮音パネルは、これに加えてつなぎ目からの音漏れの問題があります)

比較的薄い遮音材は、面密度だけではなく、制振性能が大きなものほど、防音効果は高くなる傾向があります。このため、同じ厚さでも使用する防音材の性能によって、遮音効果に差が出るのです。音を吸収しやすい素材で面密度や制振性能の大きなものが理想的と言えるでしょう。
*現場での実績、施工方法を踏まえて判断することが重要です。
*関連ページ:遮音材と防音室