防音材の選定と専門家探し(2015年5月号)

明日より5月6日まで通常業務をお休みするため、1日早く防音職人だよりを発信します。
今回は、今までの防音相談のまとめとして、基本的かつ重要な事例を分析した結果を踏まえてお伝えします。
・防音材の選定
・防音製品(ドアなど)の施工

まず、一番多いのが防音材の選定ミスと施工方法の問題です。たとえば、マンションのGL工法や二重床・天井に余り効果のない製品を使って施工した結果、まったく防音効果がでないだけでなく逆効果になる事例もあります。これらは現在市場に出ている防音材が軽量音や空気音の遮音にシフトしている状況にも大きな問題があります。

しかしながら、この問題を見抜くには豊富な経験と防音設計の実務を専門とする専門業者・コンサルタントでなければ対応できません。通販業者が対応できるようなレベルではないのです。
*防音というキーワード検索で出てくる業者は大半が通販サイトであり、モノを売るための宣伝しかしていません。実例の分析や研究などを行っている業者はないと言ってもよく、民間事業者で研究開発を行っているのは、一部のゼネコンや大手建材メーカー技術開発部門のみです。

これらの情報は機密事項であるため、通常はサイトには公開されず、一部の研究機関における研究リポートを見るしかないのです。
地道な情報収集と担当した現場での検証・分析を行っている専門家のみが知りうる専門情報なのです。

防音製品の施工が間違っているため、防音効果が半減することも比較的多く、中には防音材メーカーの説明自体に問題があるケースもあり、一般の建築業者ましてや一般ユーザーには理解できないというか気づかない点です。
新築業者や建築士の現場指示が間違っており、職人の技術を生かせないという実態は、施主にとって大きな問題です。いろいろな分野でセカンドオピニオンを依頼することが有効であると指摘されています。

防音職人では防音設計・工事から専門的なコンサルティングまで幅広く対応してきましたが、少人数なため、一般住宅と木造防音室・アトリエ・店舗、ペンションなど比較的小規模な建物を専門として実績を重ねています。
今後もこの方針は変更ありません。

防音業界は、とくに住宅・木造家屋については、音響・防音設計自体が確立されていなく、未知の分野と言えるでしょう。業者の数は多くても、十分な実績と技術のある業者は極めて少ないのが実情です。
大型連休など休日を利用して、いろいろなキーワード検索をされていると思いますが、信頼できる建築士や施工業者に専門家を探してもらうという方法も有効な場合がありますから、総合的に比較して判断すると良いでしょう。