防音室とDIY対策用の遮音材・制振材(2015年11月号)

輸入材料の高騰、消費税、生産コストのアップなどのほか、リサイクル素材の流通・再生産の普及により、市場に出回る防音材も中身が様変わりしてきました。

昔から使用される遮音ゴム、防振ゴムの類は、硫化ゴム・非硫化ゴム、ブチルゴム系の製品は殆どなくなり、合成ゴム・樹脂、ゴムチップ再生材による製品が、建築の防音材として一般的に使用されています。価格も上がり、費用対効果の面では問題のある製品も少なくありません。

防音職人では防音室で使用する製品のうち、DIYで室内で使用しても問題のない製品をウェブサイト上に掲載しています。
*アスファルトマットだけはボードに挟んで使用します。ゴムチップ再生材と同様に、室温が高くなると臭いが気になる人も居るからです。

防音職人では安全性と費用対効果を考慮するため、DIY防音材として納品を希望される場合でも、用途が不適切と判断した場合はお断りすることがあります。
他の業者のように、なんでも簡単に納品するわけではありません。

一方リサイクル素材の製品としては、ペットボトルのポリエチレン(ポリエステル)再生材繊維による「高密度フェルト」「吸音ウール」があります。耐久性・安全性の高い素材で、高密度フェルトは床などの制振材として活用されます。これらはDIYに適しています。

ネット上にも多様な製品が販売されていますが、購入されるときは、必ず使用目的と使用場所などを業者に確認するべきです。安易に思い込みだけで購入されないように注意してください。

ちなみに、ピアノなどの床の防振(制振)対策用ということで、木質系のインシュレーションパネルが販売されていますが、これは単独で使用しても床の防音対策としては効果は小さいです。とくにマンションには向かないものです。