既製の防音材で木造防音室を造る(2017年10月号)

防音職人では、取引先の受注生産品(防音材)を使用して、出来る限り薄い天井・壁・床の防音構造を構築します。
木造防音室の課題は、過重量にならないように適正な重量で出来る限り薄い構造で造ること、木材の特長を生かした良好な音響を創出することです。

ですが、新築住宅に併設する防音室(ピアノ教室など)に、受注生産品など特注できない場合があります。大半が新築業者が防音工事を担当する場合であり、社内マニュアルに沿わないものは対応できないという、融通の利かない業者です。

この場合は、既製品の防音材によって仕様書を作り、施工要領や施工説明図を改めて用意する必要があります。

苦労するのが固体伝播音対策と壁・床の共振対策です。既製品は重量音の絶縁や抑制に適した製品が極めて少なく、施工マニュアルも確立されていません。
特別な防振ツールは、新築業者のマニュアルにはないので、大工職人が普通に施工できるような製品を提示する必要があります。

最近、2件ほど新築物件で既製の防音材による施工要領を作成しました。かなり遮音材ばかりにシフトした新築業者の施工マニュアルを大幅に変更した現場があります。
固体伝播音や共振を制御する音響・防音設計というものが、新築業者にはないのです。

手前味噌ですが、防音職人では木造防音室であれば、特注品だけでなく既製品でも防音設計ができます。