昨年から今年にかけて、木造防音室の防音壁がD-50(透過損失=遮音性能)レベルであるのに、防音壁の厚さが20センチ以上(新築の標準設計部分を除いて)になる新築計画の相談を数件いただきました。

いくら木造住宅に併設する防音室であっても、当初計画の壁面から別途厚さ20センチ以上の防音壁や天井が20センチ下がるような防音設計はナンセンスだと思います。
相談者も、これはあり得ないと思ったそうで、D-50レベルの遮音性能を薄い防音対策で実現できる専門業者を探したということです。

なぜ、このような非常識な設計・施工になるのか?しかも防音室の専門業者数社に見積り提案を依頼したら、ほぼ同様な内容で、金額も安くないので予算的にも空間・間取り的にも無理だということでした。

私(防音職人)の設計であれば、仮に厚さ20センチの防音壁ならD-65以上は可能です。在来の木造住宅で、普通の断熱材を使用して、床下補強を行えば、標準の厚さ9センチでもD-55~D-60を実現できます。
*しかも総額では私の提案のほうが安い。

これは、木造の特性を知らないで、古い遮音設計マニュアルに基づいて、無駄に厚い構造しか設計できないからだと思います。
これだけ技術が進歩して多様な製品も開発されている時代に、なぜこのような原始的な工法が横行するのでしょうか。

ちなみに、先日完成した地方のある木造音楽室は、防音材は一切使用しないで、土壁・漆喰、木材(木くずを含む)だけで対策しました。遮音性能は部位によってばらつきがありましたが、ドアがD-35、窓・壁面がD-40~D-50という具合で、上記の防音壁20センチの事例よりも大分薄い構造で施工されました。
*基本構造や組み合わせ方は私の提案に準じています。

伝統的な木造工法であっても、そこそこの遮音性能は実現できます。
それを考えると、厚さ20センチの防音壁でD-50の遮音性能しか実現できないなんて、問題でしょう。