在来軸組工法を活かした木造防音室の要件(2019年6月号)

防音相談でよく質問されるのが、「木造を活かした構造とはなんでしょうか」という内容です。

今までの投稿と重複する内容を含みますが、防音設計上非常に重要なのでまとめて再掲します。

・柱及び梁、大引き、束などの軸組工法は可変性に富み、補強しやすいだけでなく、建物全体でピアノなど鳴らす、最適な音響構造です。
・床下換気や壁内の通気工法は木造建物の寿命を永く保ちます。通気・換気工法と防音構造は共存できます。

以上の木造にとって不可欠な構造を尊重することが、木造防音室の基本条件です。

さらに、木造音楽室には、吸音性のある吸音断熱材が最も重要です。
*新築や大規模リフォームでは、計画段階で最適な吸音材・断熱材をご提示します。
*発泡材は木造の吸音性を台無しにしますので、絶対に使わないでください。
*限られた木造空間を有効に使うためにも、天井裏や壁内、床下における吸音材は不可欠です。

剛性補強は、石膏ボードよりも構造用合板に重点を置いた工法が木造にはマッチします。
防音性能にもプラスになります。

表層材を含めた木材活用は、音響を最適化することにつながります。

ぜひ、以上の内容を計画の段階から総合的に検討されることをお勧めします。木造には木材が最適であるという理念は、鉄則です。