石膏ボード二重張りはピアノ室には逆効果(2020年3月号)

木造ピアノ室を施工する際に、石膏ボードは一般的な建築業者にとっては、最も多用する建材ですが、音響と防音効果という観点にしぼるとマッチしない建材です。
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木造ピアノ室の鉄則

通常、石膏ボード、金属、ガラス、ALCパネルなど硬質な遮音材にはコインシデンスという弱点があります。
この製品ごとの透過損失など周波数特性を考慮しないで音楽室を造ると、音漏れが酷い部屋ができます。しかも反射音が強い素材なので、音響調整にも苦労します。

石膏ボードは安い遮音材なので利益追求型の専門業者は多用しますが、本当の専門家は必要最低限しか使いません。
また、吸音材と称して断熱用のグラスウールを使用すると総合的な防音能力も余り伸びません。
アクアフォームやネダフォーム・スチレンフォームなどの発泡材を使用する業者は論外です。吸音率が低いだけでなく、特定の周波数帯において逆効果になります。

要するに、石膏ボードや断熱材を多用する業者は、木造音楽室について素人ということになります。