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防音の基本原則を踏まえ、実践経験と新しい知識で補正・補強する

費用対効果の高いコンパクトな防音仕様・工法を追求し、遮音、制振、吸音の3つの機能を複合化して、空間的な制約条件をクリア出来る、 薄くて安全性の高い内装構造を構築します。

音の周波数特性・空気層の効果を実践経験と研究から補正

防音設計マニュアルに記載されていない、空気層・躯体・下地における音の伝播経路、共振のリスク、遮音性能を知ることが重要です。

たとえば、マンションの二重天井では、上階で発生した重量衝撃音は、階下の天井裏の下地・梁などに固体伝播音として伝わるとともに、 空気層をバネのように振動させる空気伝播音がボード等の表層材を共振させます。
この場合、力任せに遮音材にシフトした対策を実施しても、あまり防音効果は期待できません。また、低周波(100Hz以下)が主成分の場合は、 防振吊り金具では対応できません。低い周波数の音には、中途半端な空気層はマイナスに働きます。

防音職人では、吸音層、制振・遮音層を総合的にコンパクトに構築して、250Hz以下の騒音を半減以上に減衰させることに成功しています。


防音材、建材および空気層の周波数ごとの効果、性能分析

音測定

難しい案件(現場)ほど、防音設計の事例、素材や空気層における周波数別のデータを読み解く分析力が重要です。

とくに、空気層と吸音材の扱いは、低周波など低音に対しては非常に難しく、効果がでなかったり逆効果になる場合もあり、実践経験や 知識の蓄積が専門家の設計・対策能力に直結します。

住宅、小規模な防音室では、防音材の選定・活用、下地(建材)の補強、空気層の処理によって、防音効果に大きな差が出ます。 吸音材ひとつをとっても、素材・密度・厚さなどによって、現場では性能に差が出ます。

また、石膏ボードやガラスなどの比較的剛性が高い硬質の板状の遮音材は、必ずある周波数帯において、顕著な遮音低下(コインシデンス効果)を 起こすため、特性の異なる遮音材や吸音材を併用し、弱点を補完することが必要です。


音響・防音対策の検討スキーム

防音計画は、建築の空間・構造および材料の特徴、制約などを踏まえ、実際の空間・現場での効果、フィードバックを重視しています。

木造住宅、マンションなど空間的な制約が大きい建物では、とくに費用対効果の高い、薄いコンパクトな設計が重要です。
このため、既往の事例やマニュアルだけでなく、専門分野の研究成果、実例の音測定・居住者の体感報告などを総合的に勘案して、防音設計・施工を 検討することが必要です。

防音設計の検討フロー


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マンションや戸建住宅(木造)の事例です。


防音のスタンス・豆知識

基本的な考え方、留意点です。