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防音効果と防音構造の考え方


透過損失と防音構造

 透過損失(遮音性能)は、音が様々な角度から防音構造物にぶつかり、どの程度減少されたかの単位(dB)を示すものです。 一般的に構造物が十分に重いと音の圧力に負けず、音のエネルギーを遮断するのに効果的です。部屋の広さに対して、 どれだけの面密度(面積当たりの重量)を有するかで左右されます。

 しかしながら、40dBの遮音性能を5dBアップさせて45dBにするだけでも、約2倍の重量の防音材が必要になります。単純に質量則(面密度) だけを考えて防音することは物理的に困難です。
 このため、吸音・防振材を併用することにより、音のエネルギーを効果的に吸収・減少させる比較的軽量な防音構造が必要になります。

 遮音性能を5dBアップさせるためには、費用が倍かかると平気で述べる業者は、遮音・制振・吸音の防音構造を軽視するものであり、遮音材のみに シフトした防音対策を力任せに行う傾向があります。
 これでは、壁や天井の重量が2倍必要になり、余計に狭くなります。また、十分な防音の相乗効果が期待できません。

 防音は、「遮音」 「制振(防振)」 「吸音」の3つの要素を複合させて、コンパクトな多層構造を構築することが重要 です。特にマンションや木造住宅、小規模な防音室など制約条件の多い空間ほど、出来る限り薄い構造で高い防音効果を 発揮することが必要になります。



防音材と周波数特性

 遮音材・吸音材には、それぞれ製品ごとに防音効果の高い周波数帯があります。

 仮に、500Hz以下の周波数の防音効果が低い防音材を、いくら重ねて施工しても重低音に対しては、効果は余り期待できません。

 防音材は、周波数特性や構造的な重量、安全性・耐久性を考慮して、相乗効果の高い組合せで使用するのがセオリーです。これを定める のが防音設計です。

 適正な防音設計を実現するには、基礎研究や実例を積み重ねる地道な努力と、新しい防音構造の開発が必要です。
 周波数特性や騒音のメカニズムを踏まえて防音効果の高い対策を検討することが重要なのです。


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