約3帖の木造ピアノ防音室でD-55を実現(関西の事例)
 写真のピアノ防音室は約3帖であり、防音対策を既存壁に約25ミリの厚さしか施工できないうえに、極限的な節約の予算という
条件でした。しかも、建てづまった隣家へ迷惑をかけないレベルの遮音性能D-55を確保するという厳しいリクエストでした。
 このため、既存ボード面に遮音・制振材を重ねて、つなぎ目を気密施工し、高音域の遮音欠損を抑え、石膏ボードのうえに吸音ボード
(合板の廉価製品)で仕上げました。
 防音工事完了後の結果は、施工した職人たちが驚くほど、音漏れもなく、窓(二重サッシュ)を閉めれば、夜間でも演奏可能な ほどの防音効果が出ました。これは防音材が石膏ボードや合板と相性が良く、質量則を大幅に超える相乗効果が出たと考えられます。
約6帖のマンションピアノ防音室でD-60を実現(関東の事例)
 天井・壁・床の全ての面に防音施工を行い、D-60(ドア・窓を除く)の遮音性能を確保し、特に階下及び隣の住戸に迷惑をかけない
ようにするリクエストでした。
 戸境に躯体と絶縁した防音壁を、床に防音二重床を構築し、天井は二重天井を再構築して防音天井としました。
 ピアノ以外に家具も配置するため、出来る限り壁を厚くしないコンパクトな構造を検討しました。
 防音工事が完了して音測定を行った結果、窓はD-45、ドアはD-50でしたが、天井・壁・床はD-60以上の防音性能を実現できたと推定
できました。
 窓に関しては、戸外の暗騒音にかき消され、他の世帯の玄関・窓からある程度の距離があり、近隣には気にならないレベルになりました。
出来る限り予算を抑え、過剰な防音工事とならないように周囲の状況を勘案して、バランスの取れた対策を実現できたと思います。
アップライトピアノ防音室は、ピアノ背面の壁と床の防音対策が特に重要です。
*防音職人では、約3帖の木造防音室から約6帖のマンション防音室など、比較的小規模な部屋の対策に取り組んでいます。