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防音の基礎知識 「 遮音フローリングと制振材 」


遮音フローリングとは

 遮音フローリングは、小さな落下音・スリッパの歩行音などに効果がある程度で、遮音フローリングだけでは余り防音効果は期待できません。
 床の重量衝撃音(走り回る、飛び跳ねる音など)には殆ど効果はなく、重量衝撃音対策の遮音フローリングの既製品と言うものはないのです。

 このLL表示は「軽量衝撃音」に対する防音性能を示すもので、重量衝撃音LH表示ではありません。購入される方も、営業マンも、 このことを混同して、入居後トラブルになることがあります。

 基本的には、遮音フローリングの効果は、下地・天井構造や床スラブの厚さ、床スラブの剛性(遮音性能)に大きく左右されるものです。 したがって、製品表示の性能が発揮されるとは限りません。
 あくまで実験値であり目安に過ぎません。メーカーの希望価格みたいなもので、自己申告の数値に近いものがあります。
 遮音フローリングに対して過度に期待するのは禁物です。

 また、近年の遮音フローリングは、重い家具が沈むのを避けるために、表層材を堅めに加工するため、必ずしもLL45の性能を現場で発揮 出来ないことが多いのです。しかも、表層材の裏側に加工されている制振材は薄いだけでなく、衝撃を吸収するだけの制振性は十分では ありません。耐久性にも問題があり、経年変化で性能が低下してきます。

 このような製品であるため、ピアノの振動音や打鍵音、子供が走り回る音には、殆ど無力であることに留意してください。



制振材と防音設計

 制振材は、吸音材と同様に防音設計には、欠かすことの出来ない素材・性能です。衝撃音・振動音を抑える防音構造を構築するには、 必要不可欠で防音性能を大きく左右します。

 制振材には、遮音ゴム、アスファルト、樹脂、フェルトなどがあります。
 厚さや耐久性のほか、クッション性・復元性などを考慮して、使用箇所や音の種類に応じて製品を選択して設計します。

 柔軟性の無い硬い製品には、殆ど制振性能は期待できません。市販されている防音ボードにおいても、高い制振性能を謳っている製品が ありますが、中には殆ど防音効果のないものもあります。その典型例が鉛ボードです。

 吸音材と同様に制振材の使い方を見れば、防音専門業者・専門家の力量がわかります。不適切な防音材の選択、力任せの防音設計を 行う業者には、マンション・木造住宅の防音やピアノ防音には、対処できないと思います。


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