防音材・建材の組み合わせと周波数別の防音効果

 二重天井・二重床・二重壁の防音設計を行うには、一般建材・防音製品の周波数ごとの効果など特性を知っていることが 基本となります。
 これらを組み合わせて防音構造を作ることが、設計・工事の主な目的です。

 特に扱いが難しいのが、住宅に使用する吸音材・制振材です。
 中でも、低周波音に効果的な素材の組み合わせ・構造の研究は、マンションでは特に重要です。
素材の周波数特性は防音に不可欠

 また、グランドピアノのように、30Hz~4200Hzという幅広い音域の楽器防音には、周波数特性を考慮した防音設計は 不可欠です。
 これを無視した遮音材・吸音材などを使用した工事を行っても、防音効果は余り向上しないだけでなく、音漏れの酷い周波数帯が 生じてしまいます。

 例えば、比較的よく知られている石膏ボードや遮音ゴムマット(面密度約5.9~6.0kg/m2以上)においても、下図のように周波数ごとに 遮音特性が異なります。(石膏ボード=プラスターボード)
 注意しなければならないのは、石膏ボードやガラスなどのように比較的剛性が高い硬質の板状の遮音材は、必ずある周波数帯に おいて、顕著な遮音低下(コインシデンス効果)を起こすことです。これは重ねて使用しても周波数帯がずれるだけで、遮音低下の傾向は 余り変わりません。
防音材の周波数特性と効果


天井裏・壁内の空気層と周波数特性を踏まえた吸音材効果

 最近の研究では、200Hz以下の低音については、200ミリ以下の空気層は背後に吸音材があっても吸音効果は向上しない ことが分かっています。

 むしろ、低周波音の場合は、天井裏等の空間における遮音低下をまねく、すなわち、足音や重量物の衝撃音には空気層がバネとなり、 防音にマイナスに働くことになります。

 しかしながら、防音職人の研究では、使用する吸音素材の種類・密度・厚さによって吸音効果に大きな差が生じること、 防音構造によっては効果的にプラス要因として作用することを突き止めました。
 例えば、可聴域の低周波でさえ、吸音材の活用によって減衰させることが可能であることが、最近の研究で分かっています。 すでに、従来の設計マニュアルは古く、頭の古い専門家には、マンションの二重天井の対策は満足に出来ないのです。
 参考:防音材と効果
 豆知識:吸音材と防音

 また、戸境など二重壁(下地と空洞のある内装壁)においても空気層がバネとなり、石膏ボードのもつ遮音上の弱点となる周波数帯 (概ね200Hz以下、1500~2000Hz付近)におけるコインシデンスによる遮音低下と併せて、防音上はかなりマイナスに働くことになります。 空気層に到達する空気音・固体音ともに聴こえやすくなるので、使用する防音材の選定及び下地構造に注意する必要があります。
 二重壁の遮音低下の事例:二重壁の防音上の弱点