一般の木造住宅(戸建、建売、二世帯など)の遮音対策や比較的小規模なピアノ防音室において、壁や天井を必要以上に厚くすると、狭くなるだけでなく、ピアノが入らなくなるなど、薄い構造でなければ、適用できない防音工事があります。

たとえば、ある専門のメーカーでは、D-45の遮音性能を出すために、防音壁が約180ミリ以上も必要であることがホームページやモデルルームで提示されています。これを6帖程度の小さな楽器防音室に採用すると、ピアノなど楽器、家具などの配置に自由度が殆どありません。

出来る限り薄くてコンパクトな防音が、住宅や旅館・ペンションなどの木造家屋で求められる理由は、壁や天井の厚さによる制限だけではありません。建物の強度及び経年的な耐久性の制約により、重い過剰な防音は現実的に殆ど不可能なためです。

防音職人では、状況に応じて、出来る限り薄い・コンパクトな仕様を提案しています。
薄い防音仕様の基本は、遮音・制振・吸音の機能を建物躯体、内装の特徴に応じて適切に組み合わせることです。素材の持つ吸音率、透過損失など遮音性能、制振効果に着目することが重要です。
小さなピアノ室