マンション天井騒音の対策事例

防音職人としての取り組み姿勢やサポートに関するエピソードを少しずつ記したいと思います。
この事例は2015年1月に実施した防音工事の計画や仕様の評価です。

【上階からの衝撃音を軽減したい】
ある都内の分譲マンションにおいて、上階の居住者が夜間に足音や衝撃音を出すため眠れないという依頼者の相談でした。色々と検討した結果、天井面と梁型面を防音工事することになり、仕様書などをご提示したところ、次のようなコメントをいただき、ご契約後、実施したものです。
「見積り・仕様書ありがとうございます。材料の構成が本格的ですごいです。これなら、深夜の静かな空間に突然の目が覚めるような音でも防げそうです。
これで、工事を進めていただきたいので、契約書を送付ください。我が家には広いバルコニーがありますので、材料や工事道具置き場、作業場としてお使いください。
来年度4月からはマンション管理組合役員の当番ですので、騒音の相談等で役に立ちそうです。」

【工事完了後の効果】
この現場は、天井スラブにインサートだけでなく金物(ビスなど)を一切打てないという制限があり、二重天井を梁型と間仕切り壁だけで支えて構築するという非常に難しい設計・工事でした。
防音工事完了後は、明らかに天井や梁型からの騒音が大幅に減ったのが体感できたそうです。今後、様子を見ながら、今回施工を予算の関係で見送ったGL壁面などの対策必要性を、依頼者がじっくり検討することになりました。
もちろん、管理組合理事会での取り組みを視野に入れて対応することになります。

マンションの騒音対策はハードとソフトの両面の対応が必要です。それが集合住宅の難しいところです。

木造防音室の対応事例

事業者として人間として、「成功事例よりも、失敗事例から多くを学ぶことができる」と、よく言われます。私もそのように考えて商いを続けているつもりです。
これは2014年の木造ピアノ防音室の事例です。以下に施主様のご質問と防音職人の対応を記述します。

【施主様からのご質問】
「お世話になります。ご連絡いただきましてありがとうございます。
おかげ様で、施工も最終段階に入りました。日々出来あがっていく部屋を眺めながら完成を楽しみにしております。
ただ、もともと天井にあった24時間換気の換気口が今回ふさがれており、今回新たに取り付けていただいた給気口だけで、24時間換気の機能が維持出来ているのかが気になりますが、問題ないでしょうか?

なお、吸音ボードに関して情報ありがとうございます。参考にさせて頂きます。今後、検討する際にはまたご相談させてください。
よろしくお願い致します。」

【防音職人からの回答】
「お世話になります。
通常は大丈夫なのですが、今回の工事においても化学物質は少量ながらも含まれていますので、安全策を取りたいと思います。
*どんな新築でも、リフォームでも同様です。窓開け換気は年内はご留意願います。
天井の補修に時間と費用がかかりますが、私が負担したいと思います。防音対策に気を遣いすぎて、施工担当は深い配慮を欠いたようです。

私は今回の現場は利益を余り考えていませんでした。多くの業者の中で指名していただいたことで十分ありがたく思っております。
本日は、これから、他の現場のアフターサービスのため準備と出張でご返信はできないと思いますので、何かございましたら携帯のほうへ、15:00以降に、お願いします。
どうぞ宜しくお願いいたします。
2014.11.○ 防音職人
※今年はもう殆ど私の現場仕事がありませんので、ボーナス代わりに施工担当に補修費を出したいと思います(笑)。ちなみに、床合板のうえに2~3ミリ程度のクッションフロアをサービスで施工することを検討しています。このうえにタイルカーペットを載せていただくことになりますが、厚さ的に大丈夫でしょうか。ご確認ください。」

私が言いたいのは、人間がやることですから職人も失敗することはあります。大切なのは施主様の安全性に留意して出来る限りのことを誠実にやること、これが重要だということです。
防音職人は、目先の利益のためにだけ生きているのではないので、「魂の入った仕事」を誠実にやりたいと考えています。(防音職人ウェブマスター:防音設計・コンサルティング担当)