防音職人のピアノなど楽器防音室の最大の特長は薄いコンパクトな防音構造です。
木造のグランドピアノ室であっても、既存内装壁から約90ミリの防音壁によりD-55以上の遮音性能を実現します。
*次の事例写真はリーフ・ミュージックルーム音楽教室(ピアノ・リトミック)です。

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対象となる楽器(ピアノ、ヴァイオリン、サックス、ギター、キーボードなど)によって、音圧レベルも周波数特性も異なりますが、共通して大事なのは、室内が過度に反響しないこと、共振しないことです。

遮音性能を高めるのは当然ですが、住宅や地下室・小規模な施設など空間・構造に制約がある場合では、力任せに天井・壁厚 や重量(面密度)を大きくするだけの防音工事・設計では対応できません。

  1. 下地・表層材の制振効果を高める構造にすること
    →室内全体の制振性を高めると音響・防音効果が高まる。
  2. 吸音性能を高めて比較的軽量な防音構造を構築すること
    →マンションや木造住宅など過度な重量負担をかけない防音構造が可能になる。
  3. 楽器の周波数特性を考慮した防音材を使用すること
    →特に遮音しにくい低音域の対策に配慮した設計を行う必要がある。
  4. 木材・吸音ボードなどを活用することにより音響・防音に配慮した仕上げにすること
    →ナチュラルな響きと過度な反響を調整すると共に、防音効果を高める。
  5. 木造住宅でもD-50~55以上の遮音性能を確保すること
    →天井・壁の仕上厚を躯体・下地から100ミリ程度以内に納めるようなコンパクト構造とする。

新築、リフォームいずれにおいても、施主様からのご依頼があれば、防音設計だけでなく、施工業者への指示・資材提供が可能です。東京近郊など、日帰り可能な地域では、専門チームが防音工事を直接担当することも可能です。
ピアノなど楽器防音(対策・施工事例)を合わせてご覧ください。
また、DIYをご希望の方へのアドバイス・資材提供もご相談下さい。
国立駅南口または西国立駅周辺(東京)では無料相談(初回限定)も行っています。

人間の耳と周波数を考慮した防音

木造住宅は、マンション等コンクリート構造の建物に比べると遮音性が劣るのは事実ですが、木造は吸音性が高く、使用するピアノなど楽器の周波数帯を考慮した防音構造を補強すると、格段に防音性能が向上します。

人間の耳に聴こえる周波数は、一般的に20Hz~20kHzと言われています。加齢とともに、高い周波数の音が聴こえにくくなりますが、低い周波数の音への聴力は余り低下しません。特に、低い周波数の音は年齢に関係なく個人差が大きく、低周波音に敏感な人も少なくありません。このため、戸外からの騒音対策や、ピアノなど楽器防音室の設計・工事において、低周波音を含めた音域への十分な配慮が必要です。

ちなみに、ピアノの周波数帯は、約30Hz~約4200Hzと楽器の中でも非常に幅広く、バランスの取れた対策が不可欠であり、かたよった 周波数の防音は音漏れの原因になりますので、要注意です。

楽器の簡易防音

予算や構造的な制約で、どうしても通常の防音構造を構築できないことが、住宅の場合は多いと思います。建具や部屋の広さの問題で、既存面に薄い防音対策しかできないこともあるでしょう。

このような場合でも、薄い簡易防音なら、実施できると思います。特に木造住宅では、既存のボードや吸音材とは特性の異なる防音素材を、気密工法で重ねることにより、結露防止を図りながら遮音性能を大幅に向上させることができます。

表層材に、音響化粧板を活用したり、壁面に簡易的な吸音板を立てかけたり、貼り付けることにより音響調節も可能になります。また、天井にピクチャーレールなどを取り付ければ、カーテンのような幕(布)・吸音ウールなどをぶら下げて、音響調節もできます。 色々な方法を組み合わせれば、防音効果も高まります。

ちなみに、木造の場合は、床の下地が木材のため、ある程度、衝撃を吸収する効果がありますが、マンションの場合は、コンクリートスラブそのものが振動など固体音を意外と伝えやすい特性があり、床に使う防音材によって、特定の周波数の音が共振する場合があります。

たとえば、厚さ10ミリ以上の遮音ゴムマットは、ある周波数の振動音と同調して共振することがあります。通常、このような共振を回避するには、異なる特性の防音材を重ねるか、厚さ3~4ミリの遮音ゴム・制振マットを重ねることが有効です。
特にピアノは低音(30~100Hzという低周波音)を発する楽器です。床や壁に振動が伝わりやすく、グランドピアノでは、防振対策が非常に重要です。

DIYでも、異なる特性の遮音材、制振材を重ねることにより、共振を回避して防音効果を高めることができます。

防音職人では、工事だけでなくDIY用途にも効果的な防音材を扱っています。