香川県高松市内のある市民団体が運営するライブハウスの事例です。
高松市の瓦町駅前にあるアミューズメント商業施設の地下1階のフロア全部をライブホール(コンサートホール)としてリニューアルするため、天井・壁の防音設計および防音材の現場支給を担当しました。
*契約者との約束、施設運営・防犯上の配慮などから、内部の写真は掲載できません。掲載した写真は商業施設全体の外観です。
*1階からドラッグストアなどの商業テナントが入っています。
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この案件は、予算が非常に厳しく、かつ既存の下地を活用しつつ、遮音上の弱点を解消し、ライブハウスとしての音響、防災上の耐火性能を満足させる前提条件がありました。(防音対策の難易度が高い割に予算が厳しく、対応できる専門業者はいませんでした。)

内装制限と予算上の制約により、下地は軽量鉄骨、吸音材はグラスウール、ボードは石膏ボード(PB)のみとなり、これに必要な遮音材、制振材を使用するという構成です。ライブハウスのため使用する楽器には殆ど制限がなく、大音量と重低音の振動に対処できるように、限られた予算の中で対策を検討しました。

防音設計の特徴は、共振が懸念される空気層は設けず、吸音材を充てんして、ステージ周りの吸音層を確保し、天井・壁に遮音マットを施工するとともに、壁には制振材を2重張りの石膏ボードの間に挟みできる限り振動を絶縁、抑える工夫をしたことです。また、ステージと周囲の壁が共振しないように絶縁しました。
*ステージ周りは低周波など重低音が響くため、中途半端な空気層は共振して遮音低下を招くことが既往のデータ分析と経験で分かっていました。

現在、ライブハウスは、他のテナントからのクレームもなく、運営も順調にいっているとのご報告をいただきました(2013年4月現在)