ある音楽家ご夫婦に依頼された新築木造のピアノ防音室(作曲・練習室+教室)の事例(東京都内)です。

以下、完成後の喜びの声を抜粋して、依頼者の原文のまま掲載します。
『グランドピアノが入り、初めて音を出したとき、「ホールで弾くようなサウンド」を感じました。
大手メーカーの防音室の様子だと(言葉で表現するのは難しいですが)、なんとなく音が近くでキンキンと鳴るような感覚が強いのですが、そのようなことは一切なく、防音職人さんの防音室は、音がまろやかで潤っているような感じです。

音楽家の夫も「自分のピアノでこんな音(の響き)が出るとは!!」と申しておりました。
又、外への音は本当に微かに聞こえる程度、家の中は弱いBGMになるくらいの聞こえで、まったく問題ありません。』

という最大級の評価をいただきました。約2年間ほど建築計画などが変更になる中で、苦労してお付き合いした甲斐がありました。

広さは約8帖ですので、私の担当案件では標準的なものですが、天井高が2メートル30センチしか確保できず、音響上の不安がありましたので、特に床と壁の仕様に留意して、共振を抑え、適度な音響が得られるような設計を行いました。
*防音壁は標準が85ミリ、内壁部では30ミリの防音施工と、周辺環境を考慮しながら間取りと構造に応じてメリハリを付けて予算も抑えました。

隣家への固体伝播音の音漏れを防止するため、床と壁に二種類の制振材を使用し、構造用合板で補強しました。
防音工事は地元の工務店が担当したため、詳細な施工図と施工要領を渡し、新築設計を担当したベテラン建築士にも、計画当初から詳細な説明資料を提供しました。
*建築士、工務店ともに良く頑張っていただいたと思います。