音楽サロン(防音室)の音響、建物内部の建具・構造材デザインの優先、寒冷地対策の断熱工法(外断熱の構造によるすき間での音の共振)という、空洞部やすき間による弱点が多い中で、バランスのとれた防音計画の検討が課題でした。(場所は信州の木造新築住宅)

音楽サロン(防音室)の真上の寝室、隣家側の外壁の遮音対策は手厚く、隣接するリビング、ゲストルームは建具を工夫しながら音の減衰効果を想定しつつ、建築デザインを生かす中で、費用対効果の高い建物内部の防音仕様を計画しました。
音楽サロンと隣室の空間のつながりを意識した空間デザインのため、開口部が多く、特注建具のガラス部の遮音効果を高める提案も含めて、建築デザインと依頼者のライフスタイルに対応できるように、依頼者および建築設計者・施工業者と対話しながら進めました。

多目的な楽器(ピアノ、ベースギターなど)・オーディオの音響・防音対策を考慮した腰壁・床などの板材の推奨、天井など床梁の構造材・直張りデザインを生かす前提での防音構造の提案を行った点が防音上の特徴です。

また、音楽サロンの隣の和室のゲストルームへの動線・出入り口の引き戸について、建具職人・大工職人が対応できる手づくりの防音仕様を提案し、引き戸でありながら、D-30~35の遮音性能を間仕切り壁で実現しました。
外壁についてはD-50~55、真上の寝室ではD-50以上の遮音性能を確保しました。(写真は和室・間仕切りの引き戸です)

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