新築の木造住宅に併設するピアノ教室と練習室のためのピアノ防音室を造ることが目的でした。当初の目標は、グランドピアノを夜遅くまで演奏できるピアノ教室、ヴァイオリンを24時間演奏できるレベルを確保することでした。
他の専門業者が提示した遮音性能はD-50で、床下をコンクリート増し打ちで土台を構築するもので、床下換気を遮断する工法でした。しかも予算を大分超過していたので、施主(クライアント)は新築計画を中断して、他の専門業者を探すことにしたそうです。
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そこで地元の業者を探したら、偶然に防音職人を見つけたということです。防音相談から設計・施工、新築現場の中間チェック、防音工事完了及び音響チェックまで約11か月かかりました。
ご依頼いただいた主な理由は、薄い防音構造を得意とする設計・工法と木造防音室の実績が豊富であることでした。
依頼者は国立音楽大出身で、地元にお住いのプロのピアニストでした。
他の専門家が提示した天井・床および防音壁の構造は約20センチという分厚いもので、部屋が狭くなるだけでなく、天井高も低くなり、そのうえ床下換気まで潰すという木造新築ではあり得ない工法が許せなかったと言われました。
防音職人の設計施工手法を詳しくご説明してから、見積り提案書を作成し何回も新築担当業者に計画を説明してからご契約をいただきました。
新築の通気・換気工法を尊重し、無理のない構造で防音室全体を新築段階で引き継いで防音工事を行う計画でした。
・戸外側の防音室の防音壁は厚さ87ミリ
・物入れ及び洗面室側の間仕切り防音は厚さ35~40ミリ
・天井は約30ミリの音響及び防音施工
・床は無垢材のフローリング仕上げを含めて約59ミリという薄型の防音構造を採用しました。
工事が完了して、ピアノとヴァイオリンの音響チェックをしましたら、窓からかすかに音が聴こえる程度で、壁からは音は聴こえませんでした。(もちろん、壁に耳をあてると小さく聴こえますが)
いずれも壁・窓から数十センチ程度離れると聴こえませんので、ピアノも24時間演奏できると、依頼者のピアニストにとても喜ばれました。
*推定遮音性能は窓面はD-55以上、壁面はD-60~65レベルです。
設計内容も防音効果も「防音職人さんの技術はすごい」と最大級の賛辞をいただきました。