地元の国立市内の木造新築住宅のオーナーより最初相談をお受けした時は、DIYでご自身で防音工事をやりたいので、有料コンサルティングと防音材の現場提供をお願いしたいというリクエストでした。
*近所に国立音楽大学の付属中学・高校があり、その関連でキーワード検索をしていたら、偶然、防音職人のウェブサイトを見つけて、電話で問合せをされたのが始まりでした。
防音工事の目的は、木造住宅の2階にご自身のオーディオ防音室を造るというもので、大半をDIYで構築し、難しいところだけ建築業者に施工してもらうことにしました。
工事完了後、何もしない状況よりも階下への音漏れは半減したのですが、その後、ご家族の世帯が1階に引っ越してきたので、さらなる防音対策を強化しようと、現状の床に厚さ40ミリの根太を格子状に組み、床下に配線を施し、構造用合板15ミリでふたをして、その上にタイルカーペットを敷き詰めたそうです。
しかし、防音効果は全く高まることはなく、1年後にまた相談にお出でになったのでした。
追加した工事には間違いがあります。現状にそのまま防音材を重ねて施工したほうが良かったはずです。床を二重にした際に、床下に空洞を造ったので、かえって空洞部分で重低音などが共振して、防音効果を損なったと考えられます。
そこで、いったん、カーペットと構造用合板を外して、空洞部分に吸音材を充填したあと、構造用合板15ミリを元のように施工し、その上に2種類の防音材を張るために、新たに現場に納品してから、再工事してもらいました。
その結果、空洞部の共振が減り、床面の遮音性能が向上した分と合わせて、防音効果が大分高まりました。
あとは、オーディオのスピーカースタンドや防振ゴムなどを活用して、振動音を減らす工夫をすれば、もっと良くなります。(写真は残念ですが、依頼者のご希望で公開できません)
このように、追加で施工したことが逆効果になることもあります。使用する防音材の正しい施工要領も必要です。
ここでは省略しましたが、2回目のご依頼でしたので、追加の防音材の細かい施工要領も特別にサービスでお渡ししました。