木造住宅の生活防音や併設する楽器防音室の工事で、意外と軽視されるのが「吸音材」です。
施主が黙っていると、施工業者は廉価な断熱材を「吸音材」と称して見積りを作成します。

中には、当初グラスウールを入れる仕様だったのが、いつのまにか発泡ウレタンや硬質スチレンフォームを壁や天井内部に充てんするという仕様変更を平気でやります。
*これらの発泡材は吸音性がなく、グラスウールよりも吸音効果がありません。
その結果、外壁の遮音性能がD-15~20レベルという、音漏れが気になるような界壁となります。

木造防音室においても、グラスウールを多用する業者は、防音工事が不慣れで、設計そのものができない場合が多く、グラスウールの仕様を勧める業者は、実は防音専門の業者ではなく、通常のリフォームなどの異分野から転業した業者です。
*防音設計・工事の専門業者は、ロックウールまたはポリエチレンウールを使います。

吸音材によって、防音効果に大差がでるのが木造家屋の特徴の一つです。
グラスウール、セルロースファイバーは、低い周波数と高い周波数の吸音能力が、ロックウールやポリエチレンウールに比べて劣ります。とくに密度の低い製品ほど、その傾向が顕著になりますので、注意が必要です。(製品メーカーの自己申告データと現場での吸音効果は乖離します)

吸音材の使い方を見れば、建築事務所や施工業者、防音設計業者の力量が見えます。