天井防音の工法変更と遮音材(2014年9月号)
2011年の大震災以降、マンションなどコンクリートスラブ構造の建物の天井防音工事の工法を変更しました。これは天井の吊り金物を増設するインサートをスラブに新設(孔をあけて取り付け)できなくなった(管理組合・管理会社の許可が出ない)ためです。
また、主力の遮音ゴム系製品が高騰し、供給が不安定になるだけでなく、良質な製品が市場から姿を殆ど消してしまったことも大きく影響しています。もちろん代替品を確保したのですが、施工が難しく、さらに比重の大きな重い製品になりましたので、吊り金物を増設しないと耐久性の面で問題が出るということで、従来型の工法では使用を見送りました。
*この製品は現在は、木造の防音室の主力の遮音制振材として活躍しています。
このような事情があり、マンションの天井防音案件は、ある前提条件をクリアできない限り、お受けしないことにしました。もともとマンション防音は難易度が高く、検討時間もかかることから、事業上の採算性も低く、他の施工業者は私の提案書を見ただけで逃げてしまう状況です。
現在は数名の専属職人の仕事を受注しながら、防音相談(地方案件を含む)を予約制で行いながら、新築、リフォームについて、地元の施工業者でも可能な内容を中心に提案しています。
このため、木造の生活防音や防音室の現場を担当することが増えたのです。木造の現場は設計図さえあれば、確実に検討できるので、地方の遠方の現場でも施工図や防音材納品で対応できるのです。