音楽教室・防音室の構造的補強(2015年6月号)

最近の木造音楽教室(ピアノ、ヴァイオリン、リトミックなど)は、木造住宅に併設されるケースが多く、子供や家族の使用を前提としているため、最も重視することは地震などに対する耐久性や生活空間としての安全性です。

これはツーバイフォーでも在来工法でも同様です。天井・床および壁の構造的補強は、構造用合板などによるパネル補強、床下、梁、壁の軸組など主要構造の補強が主なものですが、これによって剛性が強化されるだけでなく、制振性能が向上するので楽器演奏による共振が抑えられ音環境が良くなります。

同時に遮音性能が向上するので、一石二鳥の相乗効果が期待できるのが、木造ならではの特長と言えるでしょう。防音設計は防音対策だけに目を向けるのではなく、音響や耐久性など総合的な効果を判断しながら検討するのが理想です。

防音職人では、理想を追求しながら職人の技術を最大限に生かせるような工法を提案しています。
使用する防音材も木材と相性の良いものを使い続けています。

音楽教室の先生と子供たち、生活する家族の安全性や快適性を重視しながら、木造住宅の弱点を補強し、長所を生かす工夫が重要だと考えています。
*参考→構造や間取りを生かす防音設計