防音材の仕様変化と価格変動(2018年3月号)

私が防音職人を始めた約14年前は、硫化ゴムなど遮音ゴム製品が多く、値段も現在の半額程度でした。
その後、リサイクルゴム製品、樹脂(塩ビ、合成ゴム)製品が増え、耐久性に差が出てきました。

リサイクルゴム製品は、再生樹脂よりもさらに劣化スピードが速く、品質にばらつきがあります。再生合成ゴム製品も約10年でもろくなり劣化します。
アスファルト製品のほうが寿命が長く、ボードなどに挟んで使用すれば温度変化の影響も少なく、永くその性能を保持します。

もっと耐久性があるのが床暖房対応製品である「合成樹脂」です。通常「遮音ゴム」と呼ばれていますが、主成分は塩ビなどの樹脂です。
硬さや密度によって、遮音・制振能力に差が出ます。

では、単価は安くなったのかと言うと、合成樹脂製品「遮音ゴム」は値上がりして、市販品は10年前、910×910サイズで厚さ4ミリの遮音ゴムマット(合成樹脂)約1800円が現在は2400円程度になりました。

PETウール(ペットボトル再生材)も455×910サイズで厚さ50ミリの製品が10年前に税別で600円(1枚単価)が、現在では倍以上の価格で販売されています。
*防音職人では980円(税込み)です。

PETフェルト(高密度圧縮繊維、ポリエステル)厚さ6~8ミリ(910×910)が、現在は1800~2000円程度で販売されており、需要と供給の関係なのか?結構割高です。
*防音職人では制振フェルト6ミリ(950×1850、5枚セット)は11000円(税込み)、1枚の単価は2200円です。

性能的には、床の振動対策について見ると、大半の製品が軽量衝撃音対応です。重い足音やグランドピアノ重低音の振動に対応した製品は非常に少なくなっています。

だいたい毎年、製品の値上げがメーカーから通告されるのが3月または6月です。
今年の値上げは製品コストではなく、材料輸送費の値上がりが要因として懸念されます。