住宅の防音設計最新技術とは何か(2022年8月号)

住宅の防音設計の最新技術は「音の制振・絶縁・減衰機能を高める仕様・構造」を構築することを目的としています。
業界では素材・構造体の周波数特性とともに軽視されていた分野です。

これは、木造住宅・マンションに共通した課題であり、建築業界だけでなく、他の専門分野の技術・製品を採り入れないと実現できない設計・施工と言えると思います。

しかし、木造については、伝統的な工法や木製品の中に重要な技術があり、専門的な防音材と組み合せることで、相乗効果を発揮することが、防音職人の実務経験の中で証明されてきました。

土木・機械工学など異分野における遮音材・制振材・絶縁緩衝材は、今まで建築現場では「防音設計技術」として位置づけられておらず、認識もされていませんでした。

住宅の「防音設計最新技術」とは、建築業界および異分野の技術の組合せによって生まれたものです。

これが防音職人の提示する「薄い防音構造」「コンパクト防音設計」の基本となっています。木造防音室だけでなく、新築住宅の生活防音にも生かされています。

建築素材・構造体の周波数特性、音源の主成分を分析して把握することが、基礎研究の一つになっています。そして、実際の現場に適応できる技術として「防音設計」を提案書の中に示すことにより、施主・建築士への標準仕様として確立してきました。

この歩みも、今年(2022年)8月で、18年が経過します。会社勤め時代の防音体験・資料収集まで遡ると、通算28年以上の独学による研究と実践という歴史になります。

最新技術は、地道な実務経験と研究によって作られたものです。近い将来に、基礎となる資料ページ・留意点は、情報サイトにおいて公開する予定です。