防音材と施工要領(2022年9月号)

今までの投稿においても触れてきましたが、防音設計の重要な役割として、「防音材の施工要領」があります。

この施工要領によって、防音室などの構造体の遮音性能に差が出ます。
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施工要領とは、主に「防音材単体の施工の仕方」および「構造体の工法」にかかる重要事項です。例えば、隙間処理や絶縁の処理など細かい指示を含んでいます。

適切な防音材と施工要領、防音施工に関する説明書があれば、地方の現場でも施工可能です。防音職人の担当現場の約半分は、地方の現場であり、防音工事を担当するのは新築業者など地元の建築会社です。

もし、専門業者と契約を結ぶなら、この施工要領に関する事項を契約書または計画書に明記してもらうと安心です。

通常、防音設計業務は、「防音材を含めた施工要領」が含まれており、防音職人では説明図に注意事項として施工要領に該当する説明を入れます。

なお、防音材には「大手メーカーなどの市販品」と「専門メーカーの受注生産品」がありますが、前者には具体的な施工要領が明記されていないことが多く、施工に際しては要注意です。

専門業者との防音設計・コンサルティング契約の費用をケチって、拙速に施工を進める施主が多いのですが、問題が起きても「後の祭り」になることは、言うまでもありません。
一生の買い物を台無しにしないように気をつけたいものです。

また、専門業者の説明に不安を感じたら、契約する前にセカンドオピニオンを利用したほうが無難です。専門業者には得意分野がありますので、実績や方法論を必ず確認しましょう。