木造の防音材と施工要領(2024年1月号)

今回は、今まで問合せの多かった事項に関連した資材の中で「防音材」に関する内容について述べます。
→詳しくは次の投稿記事を御覧ください:防音材と施工要領・説明書

特に木造建物(木造住宅・音楽室)において、使用する防音材と施工要領がマッチしないと十分な防音効果を得ることが出来ません。

多種多様な防音材は、メーカーのカタログだけを見ても実績や正しい施工要領はわからないことが多く、製品選択に迷います。
知名度だけで、防音材を選ぶと思わぬ失敗につながります。

それは、説明書(施工要領)を防音設計の専門家が記載しているとは限らないからです。木造建物に適した防音材・施工要領を適切に記載している市販品のメーカーを私は見たことがありません。
少なくとも私は、約30年間お目にかかったことがないです。なので、私は市販品の説明書そのものを信頼していません。

その典型例が「遮音シート」「鉛の遮音パネル」「リサイクル材の遮音ゴム製品」です。

一方、専門の防音材メーカーは、建築とは異なる業界の「土木工学」「機械工学」「車産業」の業界で生まれた製品をベースに開発されたものであり、建築業界よりも歴史が古いです。
建築業界の防音材は歴史が浅く、施工要領や仕様書が不十分なものが多いです。まだ開発途上と言えると思います。

新築住宅や音楽防音室を計画されている施主や建築士のかたは、計画段階から必要な情報を集めながら、専門家へのヒアリングを行ったほうが良いと思います。

ネット上に出てくる情報は、玉石混交状態であり、一般のかたには判別するのは簡単ではありません。
くれぐれも、知名度だけで専門業者や防音材を鵜呑みにしないようにご留意ください。