防音相談におけるリスク説明(2025年4月号)

ある防音専門業者は、工事を失敗したあと、使用した鉛の遮音パネルのデーターを自社ホームサイトにおいて改ざんしました。弱点である複数の周波数帯である低音域と高音域の周波数帯を削除して、効果のある周波数帯のみを表示しました。リスク説明の部分を削除したわけです。
*その後、その業者は、遮音パネルの仕様を一部変更しました。問題点に気づいたのだと思いますが、信用できない専門業者であることは間違いないです。
防音相談の段階では、その会社の担当者が「必ず防音効果は出ます」と説明したのですが、リスクについては全く説明がなかった。このような信用できない防音業者が、業界の信頼性を低下させてきたと言えると思います。

防音相談において、リスクを説明したうえで、複合的な対策を説明するのが本当の専門家です。
万能な防音工事や防音材など存在しません。必ず、弱点を補完したり、相乗効果を出すための複数の設計仕様を提示するのが、専門家です。ですが、無料相談においては、あくまでリスク回避の一般論しか説明できません。
通常は、契約を前提にした専門事項だからです。

世の中の業界大手の企業は、無料相談会を餌にして、お客を囲い込もうとしますが、リスク説明はしないで、良いことばかり並べて説明します。そのことを留意して、相談者は話を聞くべきです。鵜呑みにすると、リスクを回避できずに失敗する確率が高くなります。

専門業者の知名度は多額の資金を投じた宣伝活動によって築かれたものです。相談者は、自分が求める内容の生活防音や音楽防音室などの実績が信用できるかどうかを見極める必要があります。
その際に、役に立つのがセカンドオピニオンへの防音相談です。このとき、わずかな費用を惜しんで無料相談にこだわると、リスク回避のチャンスを失うことになります。

ウェブサイトのコンテンツが信頼できるものなのか、時間をかけてじっくり検討してください。焦って契約を軽々にしないように注意してください。計画案の段階で、疑問点が生じた場合は、契約を保留して、セカンドオピニオンとしての専門家を探してください。
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