あるピアノ防音室の欠陥対策の相談(2016年2月号)
昨年お受けした無料相談と取引先への紹介案件の対策結果(マンション)の話です。
某大手の防音室メーカーと防音工事専門会社に依頼した女性の方が、完成後音漏れが酷いのに気づき、私(防音職人)にセカンドオピニオンとして相談を依頼されました。
ただ、このかたは予算を使い果たし、もうDIY防音対策しか救う道はなかったのです。そこで、取引先の知人建築士に相談して防音対策の立案と、防音資材をほとんど利益なしで、直接販売してもらえるように、事前に相談者に伝えました。
*防音職人の無料相談→取引先への紹介→DIY防音対策の実施とグランドピアノの移動という流れです。
マンション階下の居住者のご協力を得て防音効果を確認しました。
問題は大幅に改善され良かったのですが、依頼者は大手防音室メーカーと防音工事専門業者に対して怒っておられました。(私ならば告発して提訴したと思うような低レベルです)
この大手防音室メーカーと防音工事専門業者は業務提携をして、300万円以上の防音室を依頼者のご自宅に作ったわけですが、施工後の遮音性能改善レベルは空気伝播音の遮断性能はD-20、床の固体伝播音の遮断レベルはD-5という悲惨なものでした。何のために防音工事をしたのかわからないというレベルです。(測定評価は音響専門の建築士が実施)
今回の現場において、取引先建築士が精密測定した結果、界壁からは気になるような音漏れは殆どないということで、主に床の固体伝播音対策をDIYで行うことにしました。判断は正しかったようで、音漏れは1/3以下に軽減されたようです。常識的な時間帯であれば、ピアノ演奏ができるレベルになりました。
大手専門業者の能力とは、必ずしも信用できないという典型例でしょう。
ちなみに、上記の防音室メーカーと防音工事業者はネット上でも宣伝を繰り返しており、被害者は表に出ていないだけで、結構居るのではないでしょうか。