防音室の音響・設計仕様が見えない(2018年12月号)

防音室のご相談で、他の専門業者が提案した内容をチェックするコンサルティングを依頼されることが結構あるのですが、大半が仕様の詳細が見えません。

見積り提案書や計画図には、概略しか説明されておらず、どういう素材であるのか、遮音材・吸音材・制振材の性能説明もなく、製品名・品番も明記されていません。

ほとんどが私から見てもブラックボックスです。これでは一般の人には理解できないでしょう。

私が作成する防音室の計画は、具体的な目標と意味を説明し、見積書には詳細な仕様と使用する防音材のほか、一般的な建築材についても細かく指定しています。

先日の静岡県内の依頼者にも、詳細で目に見えるような具体的な提案で助かりますと言われました。
私にとっては、これは標準的な提案書・計画の表現です。

そうじゃないと、地方の現場の契約は成立しません。もちろん、東京でも同様に細かい仕様を作ります。

それにしても、他の専門業者は構造的な仕様が良く似ており、まるでグループ企業の代理店なのかと思うぐらい、設計手法・工法が同じです。
木造新築でも、解体してから造り直すようなリスクのある提案が多いです。

もしかしたら、同じ既製品を使っているのかもしれません。

ちなみに、防音職人は受注生産の専門製品(市販品ではない)を主力にして、既製品は施工担当業者に注文してもらっています。

私の仕事場までお出でになれる相談者には、使用する防音材のサンプルを触りながら、説明しています。
ブラックボックスはあってはならないというのが、私の基本的な考え方です。