ステイホーム需要と防音設計(2023年10月号)
約4年前(2019年)までは、私が担当する東京・神奈川方面の防音工事現場は、私自身も出向いて現場をチェックしていました。ところが、緊急事態によるステイホーム需要で、提携先と明確に役割分担する業務スタイルに変化しました。これによって、対応できる防音工事の現場が増えることになりました。
*これは木造案件にしぼって集中的に役割分担で対応したことが主な理由です。
そして、必要に応じて、私の仕事場(国立音楽大附属小学校の近所)において、初回限定の無料相談と防音相談(有料コンサルティング)を行い、ウェブサイト・メール・電話による打合せを併用しました。私の担当は音響・防音設計、提携先建築士の担当は音測定簡易調査(道具は私の所有物)および現場管理です。
*工事中の状況は担当建築士が画像を転送し、私がPCを見ながら指示を送ります。職人は全て提携先の社員なので、担当建築士が現場を指示したほうがスムーズに行きます。
主なテーマは「木造住宅の生活防音」「木造音楽室・防音室の音響・防音施工」にしぼっています。
防音需要の変化
生活防音としては今までは新築木造住宅が多かったのですが、3年前から依頼者(施主)が使用する自宅併設の仕事場の防音対策が増えましました。
ご家族への配慮だけでなく、近所からの騒音対策を目的とした施工も増えています。仕事場は夜遅くテレビ会議や電話での打合せがあり、音楽作曲者は絶えずPCやアンプを通して音を出し続けます。防音レベルも木造防音室の薄型防音構造と同等の性能が要求されます。
仕事場の用途は、木製品・彫刻工作室、RPGを含めた音楽の録音室・テレワークの防音室、RPGを含めた音楽・プログラムをPCで作るための防音室、テレビ会議が出来るテレワークのスモールオフィスなどです。
*私の依頼者には原作アニメのアニメーターやプロデューサー、プログラマーも居ます。ライトノベルからアニメ化された作品もあります。
RPGに使用するテーマ曲を担当する作曲家は、自宅の仕事場PCで作業することが増え、これも比較的新しい需要だと思います。
音楽教室は自宅併設型が基本
音楽教室の先生からの依頼では、新築住宅に併設する音楽防音室が多く、住宅事情からご家族のシアター・オーディオルームとして活用する多目的防音室として構築することが増えました。
限られた空間をできる限り狭くしない防音設計が求められ、費用対効果の高い防音材や施工要領の詳細な施工現場サポートを必要とします。
現場担当の建築士、現場監督・職人との役割分担を明確にする手法は、地方の現場と同様です。
私は仕事場に居ながらにして、同時並行の契約現場に対応することが可能になったのは、ステイホーム需要の副産物でもあります。
防音相談は、メールと電話でも対応できますので、防音設計およびコンサルティング業務として、お気軽にご相談ください。
*木造防音室のDIYをサポートする現場への防音材納品も可能です。