最新の木造防音設計と施工要領(2021年7月号)

防音職人では、取引先の防音材(受注生産品)と市販品(吸音材を含む)によって、最新の防音設計仕様を更新完了しています。

あとは、現場の施工要領として、細かい処理を徹底させることによって、防音効果を5dBから10dB程度アップさせることを指導しています。

主な留意点としては、「隙間処理」「下地補強(剛性など)」「絶縁」の三点です。

隙間処理は、気密テープ、コーキング材によるシールですが、高い周波数帯の音漏れを軽減できます。

下地補強は、重量衝撃音を主成分とする低い周波数帯の防音効果を高めることを目的にするとともに、天井や床・壁の耐久性及び安全性を高める工法です。

絶縁は、壁と床の共振回避や振動音の減衰効果を高める工夫です。

以上の三点を徹底的に実行することが、最新技術の基本です。

これはマンションでも木造住宅でも共通した重要事項です。要するに防音対策の基本を忠実に実行することが費用対効果を高めることにつながります。

世の中に出回っている質量則の計算式による防音設計とは全く方向性の異なる手法です。
現場での実践経験をフィードバックさせながら構築した技術です。

今年は、防音設計の三原則である「遮音」「制振(防振)」「吸音」の機能を、上記の3つの留意点をもとに計画する木造案件が増えました。

昨年から今年にかけての担当事例における検証が、新たなレベルアップにつながる可能性を秘めています。さらなる研鑽を続けます。